12月4日・5日の2日間開催される「IBSA柔道グランプリ2023大会 東京」を前に、講道館(東京・文京区)で前日練習と記者会見が行われ、代表選手が意気込みを語った。
パラ柔道は視覚障害者の選手が行う競技で、健常の柔道との大きな違いは始めから組み合った状態で試合が始まるということ。
その分スピーディーな展開が多く、ダイナミックさが魅力の競技だ。
「IBSA柔道グランプリ2023大会 東京」は、東アジアで初開催となるグランプリ大会で、東京体育館という大きな舞台での有観客開催。パラリンピック、世界選手権に次ぐ大きな大会で、パリ2024に向けた重要な大会となる。パリの出場権に向けたランキングポイント対象の大会で、40ヵ国の約200選手が一堂に会し、ハイレベルな試合が展開される。
今日の前日練習の後に記者会見が行われ、佐藤伸一郎強化委員長、遠藤義安代表監督のほか、選手からは半谷静香(J1/女子48kg級)、廣瀬順子(J2/女子57kg級)、瀬戸勇次郎(J2/男子73kg級)が出席した。
半谷はロンドン・リオ・東京と3大会のパラリンピックに出場している。これまでパラ柔道は体重別によってのみクラス分けが行われていたが、2022年から基準が改正され、全盲(J1)と弱視(J2)のカテゴリに分けられることとなった。
全盲の半谷は「見えないクラスで戦うというのは自分にとっては優位になる。今までは”見えなくてもできる”というのを見せたかったが、今大会は見えない選手同士の戦いの中でどう勝っていくか。苦手だった受け身もしっかりとって、相手に向かっていきたい」と語った。
廣瀬はリオで銅メダルを獲得しており、夫である廣瀬悠とともに二人三脚でパラ柔道の道を歩んできた。先のクラス改正で、障害の軽い悠はパラリンピック出場クラスには該当しなくなったが、コーチとして順子を支えている。
順子は「東京でメダルを取れなかった悔しさ、コロナで思うように練習ができなかった悔しさを抱いてきた。今大会はランキングポイントが大きいので、1試合1試合気を引き締めてパリに向かっていきたい」と意気込んだ。
瀬戸は東京で銅メダルを獲得した23歳で、日本のパラ柔道のエースだ。しかし先のクラス改正で男子66kg級がなくなり、男子73kg級への挑戦を余儀なくされた。
「東京が終わってから逆風が吹いて難しい状況が続いていたが、パリでは金メダルを取りたい。自国開催の国際大会では、力強い投げ技を観客に見てほしい」と話した。
大会スケジュール
【12月4日(月)】
▼男子60kg級、73kg級 女子48kg級、57kg級(J2)
【12月5日(火】
▼男子90kg級、90kg超級 女子70kg級、70kg超級, 57kg級(J1)
(取材:PARAPHOTO)
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