パラスポーツを”観る”文化を作る。第3回IWABUCHI Open開催!

パラ卓球日本代表・岩渕幸洋(協和キリン)が自らプロデュースするイベント「IWABUCHI Open~Supported by NEC」が3月5日、小豆沢体育館(東京都板橋区)で開催された。

「IWABUCHI Open」は今年で3回目。岩渕自身が「パラスポーツを観る文化を作る」という夢の実現のために、年に1回開催されている。岩渕の思いに共感したパラアイスホッケー元日本代表の上原大祐が所属するNECが、共催としてバックアップする形だ。岩渕本人も解説席に入りながら、真剣勝負を披露し、パラ卓球の魅力を間近で観客に伝えていくというこだわりが詰まっている。

今回大会では、車いすや肢体不自由、知的障害のあるパラ卓球選手たちが一堂に会して汗を流すとともに、卓球に興味のある子どもたちとの交流会も企画。交流会では、「日本代表とプレーするなんて」という参加者の声も飛び交う中、和やかな時間が流れた。

予選と決勝の合間に行われた交流会

決勝戦は、車いすの部と立位の部に分かれて行われ、このうち立位決勝では、岩渕と吉田友也(知的障害クラス/SST滋賀)が対戦し、ストレート勝ちで岩渕が優勝を決めた。試合中、激しいラリーが続くと、観客席からは「おぉ~」というどよめきと拍手が沸き起こっていた。

19歳の吉田友也

19歳の吉田は来年のパリを目指しており、岩渕のことをあこがれの存在と公言している。「いつか(岩渕選手を)越せるように頑張りたい」と目を輝かせた。これに対して岩渕は、「今度は日の丸をつけて一緒にプレーできるように、自分も努力を重ねていく」と謙虚に語った。

岩渕は、来年のパリパラリンピックを見据え、ドイツのリーグに今年の1月から参加しており、このイベント直前に帰国した。ドイツで修行することになったきっかけについては、「自分のクラスにはヨーロッパの選手も多く、レベルの高いプレーを肌で感じたかった」。また、パリに向けた抱負については「(東京の目標に引き続いて)金メダル以上」。金メダルを取るだけでなく、競技の注目度が高まり、パラスポーツの魅力が広く認知されることが本当のゴールだと考えているのだ。

さらに、車いすテニスの国枝慎吾がこのほど国民栄誉賞の授与が決まったことを受け、「(国枝さんは)僕たちパラリンピアンの誇り。自分も第2号として続けられたら」と話した。


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